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ごはん給食ってすばらしい 〜取材レポート〜 平成18年度

ごはん給食取材レポート 東京都北区立柳田小学校


米飯給食を通じて子どもたちに食の大切さを指導している学校を紹介いたします。


小池イツ子さん (学校栄養職員)

管理栄養士として大学病院に勤めた後、小学校の栄養職員に。柳田小学校は着任10年目。 北区の米飯検討委員会に所属し、米飯給食の推進活動を進めてきた。

楽しくおいしい給食を通して食の大切さを伝えたい

 各学年1クラスという少人数校の特色を生かし、栄養士の小池イツ子さんを中心に、きめ細かな食育、健康指導を推進している柳田小学校。給食用に6つのランチルームを設置し、各学年が1ヶ月ごとに部屋を交代して食事を摂っています。

 「子どもたちの生涯にわたる健康のためにも、小学校の給食を通じて、正しい食習慣を身に着けて欲しいですね。ランチルームを設置したのも、給食の時間を楽しみながら、食への関心を高めてもらいたいという考えからです。場所が変われば気分も変わり、食事に集中できますし、最近の家庭には少なくなった和室を取り入れることで、日本ならではの食事作法も身につけてもらいたいと思っています」

 中でも、小池さんが注目しているのは、1年生の給食です。「いただきます」「ごちそうさまでした」といった挨拶、食べるときの姿勢や、お箸の使い方を教えるのはもちろん、好き嫌いなくいろいろなものが食べられるようにするためにも、早い段階での食事指導が重要だと小池さんは考えています。

 「1年生で初めて給食を食べるとき、保護者の方から『うちの子は野菜が食べられません』といった連絡をもらうことがあるのですが、ためしに食べさせてみると、ちゃんと食べるのです。どうして食べられたのか聞いてみたら、単純に『おいしいから』と(笑)。子どものころに一度嫌いになったものは、その後もずっと嫌いというケースが多いのですが、だからこそ、いい素材を使い、調理を工夫して、早い段階で好き嫌いをなくして欲しいと思っています。そういった意味でも、学校給食が担う役割は重要ですね」

週3回以上の米飯給食を実現するための努力

 柳田小学校が週3回以上の米飯給食を実施するようになったのは、6年ほど前のこと。それ以前はパンが主流でしたが、米飯給食を推進するため、行政、学校の栄養職員、調理員の間で、何度も話し合いが持たれたといいます。区の米飯検討委員会に所属していた小池さんは、子どもたちに日本の食文化を伝えるためにも、米飯給食を積極的に取り入れたいと考えていました。

 「日本の食文化に米飯は不可欠ですし、栄養バランスの点から言っても、米飯を中心とした和食は理想的だといえます。とはいえ、実際に米飯給食の回数を増やすのは、容易なことではありませんでした。行政、調理員、学校の栄養職員が話し合い、週1回から2回、3回へと、徐々に米飯給食の回数を増やしていったのです」

 以前は、回転釜で1度に20kgものごはんを炊いていたため、焦げ付いたり、芯が残ってしまうといった失敗が起こりやすかったとか。その点も、炊飯器の導入に踏み切ったことにより、かなり改善されました。

 「炊飯器でごはんを炊くときも、メニューによってはある種のコツが必要です。ただ、失敗したとしても、対処法はいろいろあるんですよ。炊飯が不十分なときは、ごはんにお酒を振りかけて蒸せばいいし、お米の質が悪い場合は、お酒と油を少し入れるとおいしく炊けます。こうしたノウハウは、経験を積んでいかないとわかりませんから、各学校の調理員の情報交換も大切ですね」

米飯中心のヘルシーな和食が大好きになった子どもたち

 米飯を増やすと、必然的に和風のおかずが増えていきます。具だくさんの味噌汁や、野菜の煮物、魚の照り焼きなど、昔ながらのおかずは、子どもたちにも大好評だとか。

 「野菜の煮浸しなんて子どもは苦手だと思われがちですが、みんなよろこんで食べていますし、めざしの焼いたのを出したときは、『頭から食べると頭がよくなるんだよ』って説明してあげると、案外素直に食べちゃうんですよね。子どもたちは、あっさりとした野菜中心の和食も、実は大好きなんです。また、和風のおかずは、現代っ子に不足しがちなビタミンやミネラル、繊維質も豊富ですから、栄養面でも優秀です。 子どもたちが給食をよろこんで食べているのは、毎日の残菜が1kgにも満たないことから考えても明らかです。

 「残菜が15%を超えるようなら、何らかの改善策をとるべきだと思います。ごはんメニューも、白米だけではあまり食べないようなら、手作りのふりかけをつけてみる。焼き魚が苦手なようなら、照り焼き、マヨネーズ焼きにしてみるなど、同じ食材でも工夫次第で、残さず食べられるようになりますよ」

豊かな学校給食から「本物のおいしさ」を学んで欲しい

 柳田小学校の給食がおいしく、残菜も少ないのは、できるだけいい素材、旬の素材を使っているためでもあります。

 「調理の段階でも、化学調味料は使わず、豚骨、鶏骨、かつお、しいたけ、昆布などでだしをとっています。子どもの舌は大人が思っている以上に敏感ですから、ちゃんと本物のおいしさを感じ取ることができるんですね。だからこそ、限られた予算の中で、どれだけおいしい食材を確保できるかということが、重要な課題となってきます」

 同校では、生ごみ処理機からできるコンポストを交流のある群馬県甘楽町(北区が平成8年から友好交流協定を結んでいる)の農園に送り、有機肥料として使ってもらいながら、そこでできた有機野菜を給食に役立てています。

 「子どもたちも、3年時には甘楽町に行き、生産者の方とふれあい、野菜の収穫を体験することで、食べ物の大切さを学んでいます。食材の本物のおいしさがわかると、普段の食事への関心も高まって、給食も残さず食べるようになってきます。こうした体験は、子どもたちが大人になり、自分で食事を選ぶようになったときにも役立ってくれると思います」

柳田小学校 児童の声

 「ごはんの給食のほうが好きです。特に好きなのはキムチチャーハンとマーボー丼で、すぐに食べ終わっちゃう。お母さんにも作って欲しいな」(女子)

 「給食は、うちでは食べられないメニューがいろいろあるので、いつも楽しみです。いろんなランチルームで、みんなで食べるのも楽しいです」(男子)

 「あんまり好きじゃないにんじんとか、ごぼうも、五目ごはんに入ってると食べられる。卵焼きに野菜が入ってるのも、最初は苦手だったけど今は好きになりました」(女子)