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ごはんで給食フォーラム 平成18年度

テーマ2 食に対する関心づくり、現場の取り組み


 食育の基本は家庭が担うものですが、学校における取り組みも大切です。教育現場において、魅力ある食育を推進し、子どもの健全な食生活の実現と健全な心身の成長を図るため、様々な創意工夫が行われております。

 栄養教諭による子どもへの食に関する指導や地方の特色を活かした学校給食の実施、また、農業体験を行い食材に対する関心を持たせ、実習や食品調理などにより「食育」を進めていこうといった活動も活発に行われています。実際に現場の取り組みや事例から、パネルディスカッションでは様々な意見が出ました。

学校給食を介して「食育」への理解を促進 <大村氏>

 会場では、「食育」という観点から考えた米飯給食の重要性、日本の食文化を守っていくことの大切さを強く認識されている保護者が多い印象を受けました。

 また、おにぎりをにぎるなど、「自分で調理することで食べ物に対する愛着が芽生え、残さず食べてくれる」といった意見も聞かれました。「親子で給食を作る」という兵庫県宍粟市の例もありましたが、学校給食を介して「食育」への理解が広がっていけばいいなと思います。

「体験」の場を積極的に提供 <山崎氏>

 茨城県下妻市の各学校では、給食の時間に担任と栄養教諭が各クラスをまわり、給食の栄養価を説明したり、朝食についてアンケートを取り、後に献立作りの参考にしたりしています。指導の基本は、健康的な食生活について自分で考え、食材を選び、自ら料理する力を身に付けてもらうことです。

 田植えや稲刈りに参加する。スーパーで栄養価を考慮しながら買い物をする。献立を立てる。料理をする……。地元の生産者や商店にも協力を仰ぎながら、こうした「体験」の場を増やしていけるよう努力しています。

米飯給食実現に向けた取り組み <田路氏>

 兵庫県宍粟市で給食を始めたのは平成5年のこと。行政、PTA、教師、給食職員などが意見を交換し、今の時代に合った給食について議論を重ねました。

 その中で多数挙がったのが、家庭でのパン食が当たり前になっている今こそ、日本の食文化の基本である米飯給食にするべきではないかという意見でした。

 ごはんは和・洋・中、どんな料理にも合いますし、地元産の食材との相性も抜群です。何より、ごはんを大事に食べる日本の文化を守り続けていきたい。そんな関係者共通の思いもあり、パン食は月に1回だけという米飯基本の給食が実現しました。

 現在使用しているお米はすべて兵庫県産です。残留農薬やDNA検査を行うなど、品質管理も厳重に行っています。

 また、毎月19日の「食育の日」には、ごはんと汁ものだけの給食を実施しています。小学校低学年の子どもたちにはにぎり方を教え、おにぎりにして食べてもらっています。他におかずがないぶん、ごはんは通常の1.4倍の量にしているのですが、残す量はかえって通常より少なく、愛情をこめて握ったごはんは大切に食べるのかなと感じています。

学校給食は食の重要性を伝える教材 <木氏>

 学校給食は、健康増進に寄与する食材は何か、それをどう調理したらおいしく食べられるかを伝える貴重な教材です。神奈川県相模原市では、白地の食器、きちんとダシから取った汁物など「本物感」が味わえるような給食を提供。栄養教諭は、保健体育や家庭科の授業に深く関わり、食の指導をしています。

 小学校低学年にはトウモロコシの皮むき、6年生には給食の献立作りと、年齢に応じた学習をさせ、野菜の栽培・収穫など、自然の食材に直接触れる機会を多く作っています。教材として利用した食材はもちろん給食に利用しています。

生産者と子どもたちが交流できる場を <武正氏>

 私自身、首都圏の学校に赴き、生産者の立場から授業をしたりしています。都会なのでほとんど農地がないのですが、校庭の片隅に田んぼを作って稲の成長を観察したりしている学校もありました。

 また、埼玉県では田植えやイナゴ獲りといった体験学習も積極的に実施しています。こうした交流を通して信頼の絆が深まり、「おじいさんが作ったお米を学校で食べたよ」などと、家庭でのコミュニケーションも広がり、米飯給食への理解も高まると思います。